世界ランキング1位にも輝いたことがあるプロ車いすテニスの国枝慎吾選手。
もはや車いすテニス界の生きる伝説とも呼ばれている国枝慎吾選手ですが、詳しいプロフィールや現在の世界ランキング、そして車いすテニスプレイヤーを取り巻く厳しい年収事情などはまだまだ知られていないのも事実です。
わかりやすくまとめてみました。
国枝慎吾選手のプロフィールや生い立ち
国枝慎吾 (くにえだ しんご) 生年月日: 1984年2月21日 出身地: 東京都 身長: 173cm 体重: 62kg 高校: 麗澤高等学校 大学: 麗澤大学 所属: ユニクロ 座右の銘: 俺は最強だ! 障害: 両下肢麻痺
国枝慎吾選手は9歳の時に脊髄腫瘍により下半身不随となり、車いすの生活となりました。
それまでは健常者だった国枝慎吾選手。手術が終わって目が覚めた時には脚が動かなくなっていたそうで、「その時のことは今でも覚えている」と語っています。
お母様の薦めで11歳の時に車いすテニスに出会った国枝慎吾選手ですが、当時はバスケットボールにも夢中だったそうで、一人車いすで健常者の友達に混ざりながら遊んでいく中で、スポーツに必要な車いすの操作を身につけていったようです。
高校一年生の時にオランダを訪れ、車いすテニスで生計を立てている選手に出会い「自分もそうなりたい!」と強い目標ができた国枝慎吾選手はそれからメキメキと頭角を現していきます。
そして国枝慎吾選手が17時に、今でもコーチである丸山弘道コーチに指導を受けるようになり、本格的な選手として活動を始めます。
2003年、国枝慎吾選手が大学生の時に出場した「NEC全日本選抜車いすテニス選手権大会」でシングルスの優勝を果たして以降、数々の超人的な戦績を残し、日本では初めて車いすのプロテニスプレイヤーとなりました。
国枝慎吾選手の戦績と現在の世界ランキング
国枝慎吾選手の圧倒的な戦績
こちらが車いすテニスの世界で圧倒的な強さを誇る国枝慎吾選手の戦績です。(2016年時点)
■シングルス:107連勝(世界記録) 〜グランドスラム:シングルス優勝経験20回〜 ・全豪オープン…8回優勝・過去5連覇達成(07〜11、13〜15) ・全仏オープン…6回優勝・過去4連覇達成(07〜10、14、15) ・全米オープン…6回優勝・過去3連覇達成(07、09〜11、14、15) ■ダブルス:グランドスラム4大会連続優勝 ・全豪オープン…8回優勝・過去5連覇達成(07〜11、13〜15) ・全仏オープン…7回優勝・過去4連覇達成(08、10〜13、15、16) ・全米オープン…2回優勝(07、14) ・ウィンブルドン…3回優勝(06、13、14) ■パラリンピック:2大会連続金メダル(北京、ロンドン。前人未到)
2010年にはなんと全豪オープン、全仏オープン、USオープンの全てのグランドスラム・シングルスで優勝を果たしています。無敵です。
国枝慎吾選手は2012年に右肘の手術をし戦線離脱を余儀なくされましたが、その後もグランドスラムで数々の優勝を果たしています。
現在も連覇記録が継続している大会も数多くあることから、この記録は当分、あるいは永久に破られることはないかも知れません。
国枝慎吾選手の現在の世界ランキングは?
国枝慎吾選手は2006年にアジア人で初めて、男子車いすテニスの世界ランキング1位に輝きました。
国枝慎吾選手の2016年9月5日現在の世界ランキングは6位となっています。
車いすテニスの世界ランキングはこちらから確認できます。
プロ車いすプレイヤー・国枝慎吾選手の年収は?
自らの力でプロ契約を勝ち取った国枝慎吾選手
国枝慎吾選手が日本で初めてプロテニスプレイヤーとなったのは2009年のこと。
2008年に北京オリンピックに出場し優勝したところメディアへの露出が増えた国枝慎吾選手は、スポーツ選手などのマネジメントを行うIMGへ自主プレゼンをしこのプロ契約を勝ち取りました。
尊敬するフェデラーや日本男子のエース、錦織圭が所属する大手マネジメント会社IMGにプレゼン資料をつくって売り込み、契約にこぎつけた。09年春、日本の車いすテニス界で初のプロ宣言をした。引用元:朝日新聞GLOBE|Breakthrough — 突破する力 国枝慎吾
現在ではユニクロに所属し、その他のスポンサーはホンダやANAなどなんと10社にも上る国枝慎吾選手の年収はいくら位なのでしょうか。
国枝慎吾選手の年収は?
2016年から初めて車いすテニスの試合が開催されるようになったウィンブルドンの優勝者の賞金はなんと25,000ポンド=日本円で340万円程度です。
それに比べてウィンブルドンの通常の男子シングルス優勝者の賞金は200万ポンド、日本円で2億7000万円程度ですので、車いすテニスの賞金は健常者テニスの賞金の80分の1ということになります。通常のシングルス第1回戦で敗退した選手の賞金(400万円)にも及びません。
「グランドスラム」と呼ばれるその他の全米オープンや全豪オープンは、英語サイトを探しても探しても車いすテニスの優勝賞金金額にはたどり着けず、唯一見つかったのが全米オープンのこの表記。
OTHER EVENTS (Legends Exhibition/Wheelchair Competition/Champions Invitational)$570,000
エキシビションや過去の優勝者のマッチ、車いすテニスの賞金が合わせて5700万円とのことで、これを均等に割ったとして1900万円、そのうちの3分の1程度が優勝者の賞金となると考えると、全米オープンの車いすテニスの優勝賞金は600万円程度でしょうか?
ちなみに通常のシングルス優勝者の優勝賞金は3億3千万円です。
2015年のロジャー・フェデラー選手の年収が77億円、ノバク・ジョコビッチ選手が56億円と言われている中、上記の金額をもとに推定される国枝慎吾選手の年収は3000万円〜5000万円程度でしょうか。(あくまでざっくりとした想像です。)
それに車いすのメンテナンス費や移動費、サポート・スタッフのコストなどがかかると考えると、車いすのテニス選手がプロとして生活していくのはとても厳しい現実であることがわかります。
「賞金で生活するには、すべての大会で優勝しないと厳しいですね」と国枝慎吾選手が語っていたのも頷けます。
まとめ
こうやって改めてその経歴や戦歴をまとめると、国枝慎吾選手の驚異的な強さが浮き彫りになってきます。
いま現時点でも車いすテニスの歴史を塗り替え続け、間違いなく後世に名を残す選手になることは間違いありません。
この国枝慎吾選手の活躍がきっかけで、車いすテニスの知名度がますます広がることを願うばかりです。