車いす卓球の女子選手としてトップに立ち、世界ランク7位の別所キミエ選手。
リオパラリンピックに出場する日本人としては最年長選手であることから注目を集めていますが、別所キミエ選手が凄いのはそれだけではありませんでした。
想像を絶するストイックさと、ネイルやオシャレにも気を使い「バタフライマダム」の愛称を持つ別所キミエ選手のプロフィールと競技人生をまとめました。
リオパラリンピック出場の別所キミエ選手
リオデジャネイロ・パラリンピック車いす卓球代表選手であり、日本選手団最年長の別所キミエ選手はなんと68歳!
過去のパラリンピック出場世界最高齢はカナダのセーリング代表・David William選手(67歳)ということで、今回別所キミエ選手がこの最高齢の記録を更新することになりますね。
別所キミエ選手は2004年のアテネ・パラリンピックから3度連続でパラリンピックに出場しており、今回が4回目の出場となります。
初出場のアテネはなんと56歳!
2008年の北京パラリンピック、2012年のロンドンパラリンピックではいずれも5位入賞という素晴らしい成績を収めています。
現在の世界ランクは7位で、今回のリオパラリンピックはメダルも十分に射程圏内です!
卓球・別所キミエ選手のプロフィール
別所キミエ(べっしょきみえ) 生年月日: 1949年12月8日(68歳) 出身地: 広島県 高校: 広島県立加計高校 出身学校: 兵庫県立障害者高等学校技術専門学院宝飾工芸科 趣味: ネイルアート 世界ランク 7位 所属:日本郵便 得意技: 相手の弱いコースを徹底的につく「イヤらしい卓球」(自称)
現在は車いす生活の別所キミエさんですが、もともとは健常者で、バレーボールやソフトボールなどを楽しむスポーツ好きな女性でした。
夫の勇さんと出会い結婚し、2人の息子さんを育てながらの結婚生活も束の間、別所キミエさんが40歳の時に夫の勇さんがくも膜下出血で突然この世を去ってしまいます。
そしてその2年後、今度はキミエさんが難病の仙骨巨細胞腫(ガン)を発症します。
幸い2度の手術で一命は取り留めたものの、両足に麻痺が残り車いす生活となったのです。
一時は絶望し塞ぎこんでいた時期もあったとのことですが、「神様は自分に使命を与えた」と思い、リハビリを兼ねて始めたのが卓球。夫を失った悲しみや、再発するかもしれない病気に対する不安を忘れさせてくれる卓球にどんどんとのめり込んでいったそうです。
別所キミエ選手のストイックさが凄すぎる!
別所キミエさんの凄いところは年齢だけでなく、そのハンパないストイックさです。
卓球を始めた45歳の時から「強くなりたい!」という気持ちがメラメラと燃え上がり、近所でもレベルの高い教室を選んで通っていたそうです。
今ではほぼ毎日、朝の9時から夕方の6時まで、1日9時間を練習に費やしているとのこと。しかも、マシン相手に2時間打ち続けたりすることもザラだそう。
さらには借金をしてでも強い相手を求め海外遠征をし、国内で強い選手がいると聞けば手だけで運転できるよう改造した車で強い相手のところに飛んでいくという程のストイックさ。
どこからそんなパワーが湧いてくるのかと思いますが、このように答えてらっしゃいました。
それは、人に命を救ってもらったからだと思うんです。手術の時に知り合いら約150人から輸血をしてもらいました。それがなければ死んでいた。だから、輸血をしてくれた人に「こんなに元気なんだ」と伝えたい気持ちがあるんです。引用元:朝日新聞デジタル
バタフライマダムと呼ばれる別所キミエさん
このような壮絶な人生を歩み障害と戦ってきた別所キミエさんですが、その人柄は「めちゃくちゃ明るい強烈な個性を持つ関西弁のおばさま」です。笑
これまでの写真を見ていて、別所キミエ選手の試合中の髪型、気になりませんでしたか??
別所キミエ選手の試合中の髪は、編み込みと色とりどりの蝶(バタフライ)の髪飾りがたくさんつけられているんです。
さらには趣味でもあるというネイルアートもばっちり!
試合前に「気合を込める」つもりで髪を編み込み、さらには「相手を自分のペースに巻き込む」というゲン担ぎも兼ねているそう。
普段はさらさらのストレートヘアにぱっつん前髪の別所キミエ選手が身だしなみに気を使うようになったのは、まだ「障害者=汚いもの」と思われていた時代に「身だしなみだけでも綺麗にしよう」と思ったことがきっかけだったとマツコ・デラックスさんとの対談で語っていました。
外国人選手は別所キミエ選手を尊敬の念を込めて「バタフライマダム」と呼んでいるそうです。
別所キミエ選手は本も出版していた
そんな別所キミエ選手、過去にはその半生記を綴った本も出版しています。
人はどんな逆境にいても必ず立ち上がることができる!と力強く語りながら、笑いのユーモアにも溢れた「涙あり・笑いあり」の一冊です。
日ごろつい、「私ももう年だから」と、自信を失いがちでしたが 別所さんに喝を入れていただいた思いです。 また、ただ強いだけじゃなく、息子さんや卓球仲間とのずっこけたやりとりに お茶目で温かい別所さんの人柄が感じられて、とても親近感を持ちました。