「新たな機能を持つ材料やデバイスを生み出すグラフェン分散液の製造方法 」 宇都宮大学 大学院工学研究科 物質環境化学専攻 准教授 佐藤 正秀

1706946150_maxresdefault-4814737-3813499-jpg テクノロジー



「材料分野 新技術説明会」(2019年6月27日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/4u/2019_4u2.html

【新技術の概要】
水-疎水性イオン液体2液相系での黒鉛の電気化学的剥離により、酸素含有量の低い部分酸化グラフェンを疎水性イオン液体中に均一に分散させる方法で、通常の電気化学的剥離に比べ、水濃度の極めて低いグラフェン系材料分散イオン液体を調製が可能である。

【従来技術・競合技術との比較】
従来のイオン液体中での黒鉛の電気化学的剥離法は水の溶解度が数10%以上の親水性イオン液体水溶液中で行われ酸素含有量が多くグラフェンに対して数10%以上導電性・熱伝導性の低い酸化グラフェン分散液が得られる。それに対して本法では導電性・熱伝導性が高い部分酸化グラフェン分散液が得られる。

【新技術の特徴】
・簡便な方法で黒鉛などの安価な材料を使ってグラフェン系材料を調製できる
・市販の疎水性イオン液体をそのまま利用できる(新規イオン液体の合成不要)
・電解条件など操作条件を広範囲に変更でき、それによりグラフェンの表面含酸素量などを制御可能

【想定される用途】
・電界効果トランジスタの様な半導体素子
・透明性と高い導電性 熱伝導性から透明電極(タッチパネル)及び各種ポリマー分散可能な導電性・熱伝導性フィラー剤
・化学プラントや放射線の環境下のガスセンサー、発光電気化学セル及び高速応答赤外線センサーなどへの応用

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