『童貞。をプロデュース』舞台挨拶での暴力行為により松江哲明監督は全治1週間の怪我を負った

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8.25(金)「童貞。をプロデュース」
10周年記念上映中止の経緯・ご報告につきまして

1. 上映中止の経緯

 2017年8月25日、池袋シネマ・ロサで行われた本作品上映後の舞台挨拶時、出演者の1人である加賀氏が、観客に対して挑発的な発言を発し、松江監督に対して、下半身を露にして暴力行為に及びました。加賀氏の暴行により、松江監督は全治1週間を要する怪我を負いました。加賀氏によるこれらの行為は、傷害罪、公然わいせつ罪、威力業務妨害罪等に該当する犯罪行為です。

 その際、加賀氏は、2005年の本編撮影時に「松江監督や製作スタッフによって、性的なシーンへの出演を強要させられた」と主張し、そのような強要を受けたことに対する恨みや怒りが前記行為の動機であるという旨を述べていました。

 そして、上記舞台挨拶の一部始終を、観客として劇場内にいた第三者が無断で撮影し、当該第三者がその映像をインターネット上で拡散するに及びました。

 上記の事態を受け、松江監督、配給会社および劇場としては、平穏に本作品の上映を継続するため加賀氏に対し協議を申し入れましたが、加賀氏は協議に応じませんでした。

 現に加賀氏が劇場において傷害等の犯罪行為に及んでいることからすると、加賀氏と和解できないまま本作品の上映を継続すれば観客の安全を担保できないおそれがあります。そこで、劇場と配給会社が協議した結果、残念ながら翌日以後に予定されていた本作品の上映は中止することとしました。

2. 本作品の撮影は加賀氏の了承の下に行われ、強要などないことについて

 本作品の撮影は、2005年12月から2006年1月にかけて行われました。加賀氏は、本作品の趣旨について松江監督から説明を受けた上で、出演に同意しました。さらに本作における映像の多くは加賀氏自身による撮影素材によって構成されています。

 加賀氏が強要を受けたと主張するシーンについても、加賀氏は一貫して撮影に協力的でした。松江監督は何ら強要行為などしていません。このことについては、撮影現場にいた複数の人物の証言もあります。

 また、加賀氏は、本作品公開後も、同作が上映された2006年1月の第1回ガンダーラ映画祭に参加し、2007年3月の第2回ガンダーラ映画祭に向けて作られた本作品の続編に主演した梅澤氏を松江監督に紹介した上、加賀氏自身も出演、音楽担当としても山口美甘子という別名で参加しています。また加賀氏が作詞作曲した「穴奴隷」をミュージシャンが歌うシーンでも現場に立ち会っています。そして『童貞。をプロデュース』以外の松江監督の作品にもスタッフ、または出演者として参加していた事実があります。『童貞。をプロデュース』がPART1とPART2を合体させてシネマ・ロサで公開すると決まってからも、2007年8月の公開直前イベント(Naked Loft/「童貞。をプロデュース」をプロデュース)や、東京(8月/シネマ・ロサ)、大阪(10月/PLANET+1/公開記念オールナイト「童貞・ばんざい!」に於いて加賀氏の監督作品『ムゲントイスペス』も上映)、新潟(11月/シネ・ウインド)などでの舞台挨拶等に1年10ヶ月にも渡って登壇し、劇場公開向けに撮影された予告編にも登場しています。加賀氏は本作品の公開には協力してくれていました。

 そもそもドキュメンタリーとは、画面に映っているのは現実そのものではなく、本作品も松江監督による演出が施された作品であることは言うまでもありません。

 そして本作品は、先にも挙げた通り、加賀氏自身の手によって数十時間にもわたり記録された映像素材を、松江監督が構成・編集するという共同作業によって作成されたものです。このような共同作業には加賀氏も能動的に関わっており、本作品の中には、松江監督と加賀氏が共にアイデアを出し合って撮影されたシーンもあります。本作品の撮影現場は、暴力的な演技指導や、実際の暴力が行使される現場では決してありませんでした。

 よって、性的なシーンの強要やパワーハラスメント等の違法または不当な行為は、「童貞。をプロデュース」においては存在しません。加賀氏の一方的な主張を受けて一部で喧伝されているような、本作が暴力で作られた映画であるという風評は、すべて事実無根であり、明確に否定します。

 

 もっとも、法的に強要と評価される行為がなかったとはいえ、結果として加賀氏が本作品への出演に不本意な思いを残しており、そのような思いが今回の言動につながったであろうことは否定しきれません。その意味において、製作側としても、法的責任とは異なる表現者としての責任は感じています。映画の製作・公開の過程で出演者を傷つけることがあるという、広い意味でのドキュメンタリー映画の暴力性については、松江監督は従来も考えてきましたし、今回の事態を受け、いっそう真摯に考えていく所存です。

 このような思いもあり、松江監督としては、本作を共同制作した一人である加賀氏に対して、傷害等を理由に法的措置を取るつもりはありません。今後も加賀氏との和解を目指し、話し合いの努力をしていく予定です。

 以上を持って「童貞。をプロデュース」が悪意ある映画ではないことをここに表明します。なお、今後の上映については現時点では未定です。

「童貞。をプロデュース」配給
株式会社スポッテッドプロダクションズ
代表取締役・直井卓俊

「童貞。をプロデュース」監督
松江哲明

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以下は、加賀氏の10年前のブログより引用

僕の出演している「童貞。をプロデュース」という作品はフィクションである。
作品を観た多くの人が勘違いしているが、それも無理はない。堂々と「ドキュメンタリー」と銘打っているのだから。
監督から言わせれば「ヤラセとか仕込みがあってもドキュメンタリーはドキュメンタリー」ということなんだろうけれど、多くの人が「ドキュメンタリー」というその言葉をしてそれを事実として捉えようとするのが現状であろうし、出演した僕としては何の説明もないまま単に「ドキュメンタリー」と銘打たれることは、はっきりいって誠に不本意である。
というか、作品自体不本意だけど。
現場では無理矢理言わされていたが「AVは汚い」なんて僕は全然思っていないし、「女性器を見たことがない」というのも嘘だ。
というのも、僕はしばらくの間AVの仕事でご飯を食べていたし、その結果、色々な女性器を嫌というほど見てきたワケだし。
再三に渡って出演をお断りしたにも関わらずゴリ押しされた挙句、2部の冒頭では僕をステレオタイプな悪役に仕立てる為に、監督の連れて来た見知らぬ女性と並ばされて、あたかも僕が童貞を喪失してヤリチンになったかのような画を撮られた、というのも隠された事実だ。
それに、初対面の人たちの視線の中、パワハラ的な状況下で恫喝され性暴力を受けた結果、好きな女性への告白を決意するなんて、そんなアホな話ある筈がない。
告白シーンも嘘。ただのヤラセだ。
確かに、カンパニー松尾さんの「迷惑はかけるものだ」という言葉は説得力があって、実に良い言葉だと思う。
しかし、実際のところ迷惑をかけていたのは僕ではなく、監督の松江さんに他ならない。
僕は松江さんの顔をたてる為に、わざとああいう風な言い方をしたのであって、僕と松江さんとの間の話で言えばそれは全く別な話だ。
「取材に行くだけで何もしない」と嘘をついて僕を連れてきたのは松江さんなワケだし、土壇場で僕が拒否したところで、そのケツを持つのは松江さんというのが本来の筋だろう。そこを履き違えてもらっては困る。
本当のヘタレはどっちなんだ?
いくら大の男だといっても、密室で知らない大人に囲まれた非常にアウェーな空気の中で、苛立ちをあらわに「早くしろよ!」と恫喝され、パワハラ的な状況下に追い込まれたらどうか?
あれを暴力でなかったと言い切れるのか?
人として卑怯な行為ではないのか?
それをコミックリリーフとして使うその神経が僕には理解出来ない。
まー、イジメる側の人間にはイジメられる側の気持ちなんてわかんねぇんだろーけど。

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