2024年のお正月ムードもそろそろ抜け切った頃かと思いますが、今年初のビッグイベント、サッカーのAFCアジアカップ2023が1月12日に開幕しました。このアジアカップは、アジアサッカー連盟(AFC)の主催でほぼ4年に一度開催される大会で、サッカーのアジアチャンピオンを決める重要なイベントです。
AFCアジアカップ2023は、1月12日〜2月10日の開催期間となっています。元々、中国がホスト国として決まっていた本大会ですが、新型コロナウィルスの影響により、2022年FIFAW杯の興奮も記憶に新しいカタールでの開催に変更となりました。
アジアカップ2023優勝の本命は日本!
AFCアジアカップは今大会で18回目を数えます。香港で行われた1956年の初回大会以来の長い歴史を振り返ってみると、さまざまなドラマが繰り広げられてきました、特に気になるのはやはり各回の優勝国ですが、四回の優勝で単独最多を誇るのは日本です。それに続いてイランとサウジアラビアが三回、韓国が二回、それぞれアジア王者の座を手にしてきました。
アジアカップのオッズを提供しているブックメーカーは多数ありますが、今大会のオッズを見てみると日本がダントツの本命となっています。この1月14日には日本代表の初戦となる対ベトナム戦が行われましたが、結果は4−2で日本の白星で、幸先のよいスタートとなりました。
決勝ラウンドは1月28日から始まりますが、ここで、グループステージ突破の16チームが決まる前に、過去の直近五大会について少し振り返り、アジア大会の歴史について復習しておきましょう。
2019年 開催国:UAE/優勝国:カタール
前回大会である2019年アジアカップは、UAE(アラブ首長国連邦)で開催されました。前回大会まで、本大会(グループステージ)出場チーム数は16カ国とされていましたが、この大会から規模が拡大し、24カ国となりました。
この時に優勝を飾ったのは、アジアカップ2023のホスト国でもあるカタールで、これがカタールにとって初めての優勝という点で、歴史的な意味のある大会でした。
また決勝でカタールの対戦相手となったのは日本でした。試合では、森保一監督率いる日本が12分と27分にカタールに得点を許す一方、69分には南野拓実が1点を決めて押し返すという熾烈な戦いとなりました。最終的に、緊迫の中でカタールのアフィフがとどめの一点を決め、3−1で優勝を決めました。残念ながら日本の五回目の王座は叶いませんでした。
大会は、この決勝でも一点をあげたアルモエズ・アリにMVPと得点王が贈られ、幕を閉じました。
2015年 開催国:オーストラリア/優勝国:オーストラリア
多くのスポーツの国際イベントでは、長距離の移動が不要となることや、地元サポーターを味方につけられることなどから、開催国には大きなホームアドバンテージがあると言われます。
歴代のAFCアジアカップでもホスト国が優勝を手にした大会は少なくありませんが、この2015年大会も開催国のオーストラリアが、優勝をおさめました。オーストラリアは、前回の2011年に続く二大会連続での決勝進出でしたが、2006年にオセアニアからアジアサッカー連盟への転籍後、アジア地域における強豪としての強い印象を与えることに成功しました。また、この転籍により、アジアカップの歴史上初のオーストラリアでの開催、そしてオーストラリアにとっても初優勝となる記念すべき大会でした。
この2015年大会は24カ国が出場権を得られるようになる前の古い形式で行われた最後の大会で、本大会には16カ国が出場しました。オーストラリアが決勝で戦った相手は韓国で、その結果は2−1。三位決定戦はUAEとイラクの西アジア同士の対決で、UAEが見事三位の座を手にしました。
2011年 開催国:カタール/優勝国:日本
2011年の第15回大会は、決勝で日本がオーストラリアを1−0で下して優勝の栄冠を手にしました。これは日本にとって二大会ぶり四度目の王座で、これをもって単独で優勝回数最多の国に躍り出ることになりました。
この時の日本代表を率いていたのはアルベルト・ザッケローニ監督で、『ザックジャパン』という代表チームの愛称を懐かしく感じられる方も多いのではないでしょうか。2010年の南アW杯の翌年に行われたこの大会では、松井や香川といった主力の怪我による離脱に苦しみつつ、準決勝では韓国を相手にPK戦を勝ち抜き、決勝まで駒を進めました。
今回と同じカタールを舞台に、決勝の相手になったのは前述の通りオーストラリアでしたが、延長戦後半で李忠成が代表初となるゴールを決め、日本の勝利で幕を閉じました。大会のMVPは本田圭佑に贈られました。
2007年 開催国:インドネシア・マレーシア・タイ・ベトナム/優勝国:イラク
インドネシア・マレーシア・タイ・ベトナムよるの4カ国の共同開催という珍しい形になった2007年大会。アジアカップ史上初の複数国による共同開催の形が取られましたが、背景には開催国同士の誘致競争や、各候補国の経済状況があったようです。また、基本的に四年に一度の開催になっていたアジアカップですが、この大会からW杯翌年に開催されることが決定されたため、その調整として、前回大会から三年後の開催になりました。
決勝はイラク対サウジアラビアの中東同士の対決となりました。イラク代表は2004年アテネオリンピックベスト4、2006年開催のアジア大会準優勝時のメンバーを中心にした人選でグループリーグを一位通過すると、力強い快進撃で決勝へ進出。決勝戦ではサウジアラビアが単独最多となる四度目の優勝に王手を狙う中でしたが1−0で破り、初優勝の栄冠を手にしました。
三位決定戦(2019大会以降は行われないことに)のカードは日本と韓国で、PKまでもつれ込む混戦となりましたが、韓国が三位の座を勝ち取りました。
2004年 開催国:中国/優勝国:日本
2004年はオリンピックイヤーでもあり、この第13回アジアカップは、アテネ五輪の直前となる7月17日から8月7日にかけて行われました。ホスト国は中国で、決勝はその中国と日本による対戦でした。
日本代表は主力と目されていた小野伸二と高原直泰の二人が、アテネ五輪出場を優先して召集が見送られたことに加え、その他の主力選手たちも怪我などを理由に出場しないという危機に見舞われました。一方、今大会MVPとなった中村俊輔や、国内選手たちの活躍により、見事に決勝進出。
決勝では福西、中田浩二、玉田の得点により、3−1という結果で日本代表が二大会連続、三回目となるアジア・チャンピオンの座を手にしました。
この記事では2004年から2019年大会まで、過去五回にわたるアジアカップの歴史を振り返りました。アジア内での対決ということもあり、W杯とはまた違ったドラマが見られる本大会ですが、このアジアカップ2023も目を離せません!
Comments